月のイラスト 「2011年5月」
この絵は地震前に春を先取りして描いたもの。 どうしても地震の前と後とでは、色味や気持ちの向け方が違うんですよね。 思い出の品を発掘したみたいに。 今なら、ここまでうきうき春気分で、新緑の美しさを出せないかも知れません。
良くも悪くも、絵の構図や配色は気分に一任されています。 だからこそ、描く時はある一定のテンションの高さを保つのを心掛けているのですが。 沢山の壮絶な風景や光景を、 ここに生きる者として見ておかなくてはならない、と理性では思いつつも、 感情は、そうそう納得してくれて居なくて。 酷いものや辛いものの感覚は、鏡の様に、そのまま絵に反映されてしまうから。 けれどそれをそのまま、描き写すべき立場では無くて。 そこにどうやってどんな幸福を見出すかが、僕等の行く道なのだから。と。 残酷な感情など、描き遺すべきでは無いのだと、僕は思うのです。 心を揺るがす様な大きな事件に絵と共に向き合えるかを、問われている様です。 まだまだ修行が足りないのかな。
英訳は、「生命はいつも繰り返される」。 せめて、祈りを込めて。 |