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ひみつのあとがき

よく見つけましたね。おめでとう。

長い上に重たいコメントです。

ネタバレも含まれますので、一読してからどうぞ。

前作「いちにち」が文字なし・絵がメインの本だったので、

今回は打って変わって文章に重心を置いて、展開してみました。


この絵本を描く前に、絵本の編集者さんに他の作品を見て頂く機会があって、

そのときのコメントを元に、

「絵本とは一体どういうものなのか?」

を考えながら描いたものです。

ハッキリ言って、この答えを出せるのはまだまだ先なんでしょうけれど、

このとき戴いた言葉で、随分色々と考えさせられました。

その返答の第1弾として生まれたモノなのだと、思います。


この頃、水彩の下地でどれだけ雰囲気を変えられるかを試みていたので、

実験的に、

色鉛筆をランダムに塗った上に着彩、と、

インクでベタ塗りした上に水彩、という、

2つの手法で全体の流れを切り替えていく事にしました。

これは主人公モココの心情の変化を出すのに、とても力を貸してくれました。

ありがたい限りです。


個人的に、この話は

「起こった出来事は変えられないけれど、気の持ち様次第でどうとでも受け取れる」

という話なのだと思います。

決して絶望的な話では無いし、

書かなかった事で、読み取れる事が人それぞれにある話だと思います。

そして、書かれたからこそ、深読みできる部分も。

だから、この話から何を読み取るのかは、

きっと読む人自身が占有する、悲しみや希望の大きさに左右されていくのだろうと思うのです。


理不尽な事が多い世界で、それでも生きなければならない苦痛。

僕自身は、本当はモココは、涙の海に溺れて、共に逝きたかったのだろうと思うのです。

独り遺されて、生きて行けるなんて思いたくない。

そう思いながらも、それを許さない世界と、

その世界の理不尽さを受け入れ、立ち向かうモココ。

僕にとってこの流れは、この話の中心に据えられています。


一度家族を失いながら、それでも自分の家族を得て、

最後には「しあわせです」と言い切れるのは、モココの心の強さなのでしょう。

再び家族を失う事も考えただろうと、思うのです。

それでも共に生きようとするモココは、やっぱり強い。

何が遭っても生きようとする強さを、この話で見出したかったのかも知れません。

モココが、自分と同じ状況に置かれている人を支えてくれるよう、願ってやみません。

これは希望の話なのだと、思って貰えたら幸いです。


長くなりました。

いつも読んでくれてありがとう。

お茶でも飲みながら、ゆっくりご覧下さいマセ。 thanks!

Thanks my God,and God bless you!

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